ユーティルの目指す世界「Web制作の再定義」を定義する。

岩田 真 2017/11/14

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先日ユーティルのビジョンを設定する記事を書きました。

その中で、ユーティルの制作事業のコピーとして、「Web制作を再定義する」という言葉を使ったのですが、「結局再定義って何のことよ?」みたいな声が聞こえてきそうなので、一度この場をお借りして、詳細にご説明していきたいと思っております!

web制作を再定義する

これですね。

ちなみに、再定義とか変革とか、既存のルールから「ずらして」勝負する。的なニュアンスの言葉が個人的に好きです。

ビジネスモデルでいうと、既存業界なんだけど、ITやWebでルールを変えて急成長している会社がすごく好きです。

クリーニング業界のホワイトプラスさん、印刷業界のラクスルさん、葬儀業界の鎌倉新書さん、ホテル・旅館業界の星野リゾートさん等々。

オールドエコノミーのITリプレイスはすごく面白くてまだまだ着手されていない業界もたくさんあるかと思います。(出版社や花卉業界、お酒の業界等)

Web制作もそのうちの1つかと思っています。産業全体で見るとまだまだ新しい業界ですが、IT / Webの中ではビジネルのライフサイクルでいう「成熟期」に入っていると思っている人が多いと思います。

そんな中でいかに創意工夫で業界を変えていくかというところにワクワクしている今日この頃です。

ちなみに・・・の後の方が長くなってしまった。。。それでは本題に入っていきます。

目次

Web制作の再定義その1:営業はいない or 最低限

Web制作の再定義その2:制作業務は最低限

Web制作の再定義その3:OSSの取り組み・ノウハウの共有

Web制作の再定義その4:クライアントの体制づくりから関与する

基本的に変えていきたい内容は、「業界全体の悪しき慣習・構造(課題)」からくると思っています。ユーティルとして、一番変えていきたい課題、そしてそれに対してどのような解決策で変えていくのか。という形でご説明していきます〜。

Web制作の再定義その1:営業はいない or 最低限

現在のWeb制作業界の課題感

営業面におけるWeb制作業界の課題感を挙げていきます。

ここでは内部面と外部面と課題は2つあると考えます。

まず内部面から

a)内部面

・営業とPM・ディレクターが別なことで無駄なロスが生じる

ということです。これはどの業界でも制作や開発ならあるかもしれない。。。

あるあるな状況でわかりやすく解説すると

営業「案件取ってきたで!」

PM「おお、ありがとうございます!」

営業「ちょっと値引きしたし、納期も短めにしてもうたけど、何とか頑張ってや!」

PM「ありがとうございます!どれくらいの納期ですか?」

営業「来月末納品や!!」

PM「・・・」

みたいな話は大手でも中小でもよく聞きますw

とまあ、これは極端な例ですが、営業が実際に案件を受注して現場ディレクターに引き渡す時には細心の注意が必要です。

先方(お客様)からすると、今までずっと提案してきてくれた営業マンに賭けて発注したのに、担当者変わるの!?みたいな話になりますし、

営業が詳細な仕様を理解せず、安請け合いしてきてしまったみたいな話はよく聞くと思います。これ何気にすごいストレスなんですよね。。。

なので、アポを取るだけのドアノック営業マンはいらないと思っています。少なくとも提案から設計まで理解している人が営業を・・・となるとPMやディレクターが営業した方が早いですね。。。

b)外部面

・多重下請け構造。エンドクライアントとお話できないとクオリティを担保できない・工数が増加する

こちらもあるあるな問題。エンドクライアントとお話できないと、やはりクオリティが上がらないと思っています。基本的に「予算を無視して、あったらいいな的な機能やページは全て作る。で、おっけ!」みたいな案件には巡り合ったことがないので、

「予算を加味しつつ、実現したいことに沿って、機能やページの優先度を決めて設計をしていく」のが制作会社の腕の見せ所だと思っています。

にもかかわらず、エンドクライアントとお話できないということはその部分がごそっと抜け落ちてしまうことを意味します。

それだとユーティルの価値を発揮できない・ユーティルとして理想の動きができないので、基本的には直で取引させていただくのが一番かと思っています。

ちなみに現状のユーティルの直案件比率は全案件の8〜9割程度です。間に別の会社が入っていてもプロジェクトメンバーの一員として、エンドクライアントと合わせていただくケースもあります。(非常にありがたい限りです。。。)

以降、各々の課題に関する「現状のユーティルが考える解決策」を考えていきます。

①-1:営業マンがいない

解決策

・営業を極力取らず、インバウンドマーケティングのみで案件を取得する
・PM・ディレクターが提案から関与・担当する

『営業を極力取らず、インバウンドマーケティングのみで案件を取得する』

営業マンを採らないということは、「別の方法で案件流入を確保する必要がある。」ということです。結構大変ですね。。。

まだまだユーティルでは取り組めていないですが、インバウンドマーケティングに取り組もうと思っています。(マーケティング観点でサイトの設計しているにもかかわらず、自身の会社でできていないなんて、お恥ずかしい限りです・・・)

せっかく、Webの会社やってるんだから、自社の取り組みもWebをフルに活用して取り組みなさいよ。とご指摘を受けそうです。。。

インバウンドマーケティングについてはすごく興味があるのと、掘り下げるとまた1記事になるので別の機会に譲りたいと思いますが、「BtoB」「コンテンツ」「リファラル」「リードナーチャリング」あたりをキーワードに力を入れていこうと思っています。(ユーティルマガジンもその一環です!)

『PM・ディレクターが提案から関与・担当する』

こちらは上記の案件流入の問題が解決されればある程度はできるのかなと思っております。課題は「リソースの問題」。案件に関わっていると進行管理だけで結構なリソースを採られるので、いかに効率的に・クオリティの高い提案・見積ができるか。が肝になります。

ただ、提案や見積もりはある程度定型化できるのではないかと考えています。もちろん個別の会社様の状況やゴールによって重視するポイントは変わってくるのですが、方法論に関しては共有項が多いですし、経験値でノウハウ化している分野かと思います。ユーティルでも少しずつノウハウ化されており、粛々とそのノウハウを固めていくことが今できることかなあと思っています。

①-2:直案件にこだわる

解決策
・直案件のみの取引に絞る

こちらを書くと、少し語弊を招きそうなので補足を。。。

直案件かどうかにこだわるというより、「プロジェクトメンバーの一員として、直接的にプロジェクトに関与させていただけるか」否か。が重要になると思っています。

なので商流的に間に他の会社様が入っていようとも、一緒に取り組めるのであれば問題はないかなと。利益率云々というより、クオリティを担保できるかが優先ポイントです。

リピート

ちなみにうちはリピートのお客様が多いから、直取引が多いです。(すいません、宣伝を挟みました笑)

Web制作の再定義その2:制作業務は最低限

現在のWeb制作業界の課題感

・非効率な制作工程・制作陣のブルーワーカー化

Web制作会社によって、制作工程の効率化は大きく変わると思います。(各社ブラックボックスなのが残念。。。)

ある程度、仕組化できるところはたくさんあり、それだけでも大きく工数が変わると思います。ITやWebの業界の良いところは上記効率化によって、会社によって工数が倍程度変わる、逆に言うと徹底的に工程が磨き上げられているところは半分の工数で終わるというところです。

個人的には上記の観点から「人日見積もり」はこの業界に適さないと思っています。

超優秀なエンジニアが他のエンジニアに比べて半分である作業を終わらせてしまったと仮定して、人日見積もりだと単価も半分になってしまうからです。

これでは効率化のインセンティブが働かない。

早く納品してくれるなら、多少高くても構わない。という要望を持ってらっしゃるお客様は相応数いると感じているので、「スピード」という価値を発揮する代わりに、予算はこれくらいで。というのは全然「アリ」だと思っています。

解決策

・制作工程の自動化・効率化

うちはこの観点でいうとまだまだです。少しずつ効率化に向けて精進しております。。。

ただ、「つくらない」ということではなく、「つくる」を徹底的に科学するという形にしていきたいと思っています。

制作する上で時間がかかっているけど、付加価値が低いところは何なのかをしっかりと見極めて、改善改善を回していく。というのが大事なのかなと。。。

簡単そうに言っていますが、日々の業務に追われているメンバーに改善をやってもらうのは、なかなか大変な事だと思っています。

会社としてそういう文化を作っていくとともに、強制的に見直しを測ったり、改善に取り組んでくれてるメンバーを評価したりなど、何か仕組みにしないとすぐに止まってしまうと思っています。

Web制作の自動化・効率化

もはや人は見守っているだけ。が理想ですね笑

Web制作の再定義その3:OSSの取り組み・ノウハウの共有

現在のWeb制作業界の課題感

・閉鎖的な業界構造

Web制作の業界は閉鎖的なイメージを持っています。あまり会社横断的に情報やノウハウの交換をしているイメージがないし、交流もないイメージがあります。(あるとしたら下請けとの交流など「上下」の交流かなと。)

何より、技術やデザイントレンドの移り変わりが激しいこの業界で、ノウハウ共有がなされていないと、みんな損するんじゃないかなと思ったり思わなかったり。。。

市場全体は結構大きいので、多少ノウハウ共有しても取り合いにならないと思うんですけどね。というか情報開示されていると、お客様が業者選定するときの一つの判断要素にもなったりするので、むしろ有利な気がする。。。

「人」に関しても同じで、制作会社で転職希望者の方とお話したりすると、あまり明確な判断軸を持っていなかったり、事業的な優位性という観点で会社を見ていなかったりする事がしばしばです。

HPやシステムといえども事業に関わる事だと思うので、どんどんそういう観点を持ってもらうようにしたいと思っています。

解決策

・GitHubでのライブラリ公開・制作ノウハウの開示

ユーティルでは、システムやWebサイトを作る上でのポイントや、虎の巻的なものをどんどん積み上げて資料にして公開したいと思っています。

今でも一部記事にしたりしてます。

サイトリニューアルの3つのポイント
https://utill.co.jp/2017/08/06/purpose-of-siterenewal/

外注先選定のポイント
https://utill.co.jp/2017/08/09/selection-of-production/

今後は記事だけでなく、ノウハウページも作っていきたいなと。年明け〜来年前半にかけて、どんどん更新していく所存です!

ソースコードレベルでも開示していきたいと思っています。

さすがにお客様の環境のソースコードはそのまま公開できないので、その中で使うライブラリやコンポーネントレベルでどんどん便利ソースコードを積み上げていきたいと思っています。

直近、弊社のエンジニア(鈴木)が1つあげてくれました!

ユーティルのGitHubページ

どんどん積み上げて、「制作で使えるものはユーティルのGitHubみれば結構あるよ。」と評判になるのを目指していきたいと思っています!

ユーティルのGitHubでの取り組み

まだ一個だけ。。。頑張ります!

Web制作の再定義その4:クライアントの体制づくりから関与する

現在のWeb制作業界の課題感

・無駄な運用費を出し続ける

・既存の制作会社が動いてくれない

最近案件のご依頼をいただく中で、「既存の制作会社が動いてくれない・提案してくれない」や「何もしてくれない会社に無駄な運用費を払い続けている」と言ったご不満をいただくことが多いです。

そういった不満を以てユーティルに相談していただけるのは大変光栄な話ですし、是非ユーティルはそうならないようにしっかり頑張ります!と意気込むのですが、この問題は制作会社側だけではないと思っています。(お金をもらっているのに本当に放置している制作会社も存在しています。ケースバイケースで状況は全然違うので、あくまで岩田の所感です。)

つまり、制作会社に明確な運用方針を伝えられていない。制作会社への指示がふわっとし過ぎていて、予算内のコストで制作会社が対応しきれない。ケースも一部存在するかと思っています。

もちろん、運用方針をお客様と一緒に考えて、かかる工数をお客様に丁寧に説明するのが制作会社の仕事ではあります。
ただ、それで安易に制作会社をリプレイスしても根本的には解決しない気もしていますし、制作会社が動いてくれない。は「うちは付き合うコスト高いよ」と言われている気もしてしまいます。。。

問題の本質はそこなのでしょうか。

解決策

・マーケティング / ディレクション面での教育・採用支援・体制づくり

正直これは、全くと言っていいほどできていないので、若干理想論みたいになってしまうのですが、将来的にすごくやりたいと感じている部分でもあります。

月次で言われた内容だけをこなすだけの制作会社は不要だと思っていて、運用における戦略・方針を一緒にお客様と考えるという機能がWeb制作会社には最低限必要だと思っています。(この部分に関しては弊社の岩野ががっつり取り組んでいて成果を出し始めてくれてます!)

それに+αとして、お客様の中でも「独自で運用施策を進められる」「運用方針についての良し悪しをジャッジできる」ような機能を持ってもらうのが理想かと考えます。

なぜなら、運用施策の実行そのものはインハウスでやってしまうのが、一番効率的だからです。戻りもなければ、業界経験や知識はお客様の方が圧倒的に積み上がっているので。

もちろん、それを望まないお客様に無理に「勉強しなさい!」と押し付けるつもりは毛頭ないのですが、できるだけノウハウは提供していきたいなと思っています。

むしろそっちの方が長期的にお付き合いいただけるし、何より成果も最大化されるのではないかと思っています。

まとめ

以上、ユーティルなりの業界へのアンチテーゼを書き綴ってみました笑

「言うは易く、行うは難し」ですが、これをやっていけば、業界内のポジションも確実に上がっていくのではないかと考えています。

自らの思考の整理も兼ねて書いたので、なかなか取りとめもない文章になってしまい恐縮ですが、ユーティルの事を知っていただく一助になれば幸いです。

※これより上段の概念である、「ビジョン」についてはこちらの記事をご覧ください!

ユーティルのビジョン
https://utill.co.jp/2017/10/04/vision-rethinking/

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岩田 真

岩田 真

株式会社ユーティル代表。2012年に新卒で株式会社ジャフコに入社。入社から3年間投資部に配属され、数億円単位のベンチャー投資事業に従事。投資先の発掘〜精査〜投資〜価値向上に一貫して従事。2015年4月株式会社ユーティル設立。

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