kintoneでNPS測定ツールを作ってみた

岩田 真 2017/11/1

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最近ユーティルでは「kintone」を利用した、「業務効率化」ソリューションとしてシステム開発を進めており、少しずつ実績も積み上がってきました。

その中でお客様にもkintoneをお勧めしているのだからうちでもkintoneを使ったツールを作ってみよう!ということで、「NPS測定ツール」をサクッと作ってみました。

今日はその過程を記事にしました。kintoneに限らずライトなWebサービス・ツールを作るときにも参考になるように書きましたので、ご参考になれば幸いです!

目次

kintoneを利用したNPSツール制作の背景

要件定義(項目定義)

要件定義(ワイヤー作成)

デザイン

実装

まとめ

以降、横文字ばっかりなので下記簡単に用語説明しておきますw

kintone(キントーン)とは

「キントーン」と読みます。

kintoneとは、東証一部上場のサイボウズさんが提供しているツールです。

サイボウズさんによると

kintoneとはデータベース型のビジネスアプリを作成するツールです。プロジェクトにおける情報共有はもちろん、企業間コラボレーションにも対応。モバイルからも安心してアクセスできる仕組みです。システム連携・開発プラットフォームとしても活用いただけます。

とのこと。。。正直ちょっと分かりにくいんですよね。。。

超絶勝手で良い加減な岩田的理解を述べさせていただくと、

「エクセルがめっちゃ進化した、ブラウザで使えるツール」という感じですw

・エクセル以上にいろんな項目がスイスイ管理できる。

・エクセル以上にいろんな項目や情報量に対応できる。

・エクセルと違って、画面をわりかし自由に作り込める。

のが嬉しいかと。

例えば

・お客さんの管理シートをエクセルで作っていたけど、かなり数が多くなってきてカオスになってきた・・・

・人数が増えて、1ファイルを同時に触りたい瞬間が増えてきた。。。

・エクセルのシートがカスタマイズされて過ぎて、もはや新しい人が使える状況にない。。。

とかのお悩みをライトに解決するのにもってこいなツールという理解です。

エクセルの進化系なので、自由に項目を定義できるし、シート(kintoneでは「アプリ」と呼ぶ)間の情報連携も、もちろん対応。「顧客管理」や「勤怠管理」「案件管理」など、エクセルで管理していたものはだいたいkintoneで作れます。

なので、

・社内のCRMをエクセルから卒業してそろそろシステムにしたい!

・人数が増えてきたので日報や勤怠管理をそろそろシステム化したい!

とか「脱エクセル」「エクセル卒業」はしたいが、「がっつりシステムを構築するってほどじゃないんだよな〜そもそもそんな知識もリソースもないし。」みたいな層にぴったりのツールかと思います。

kintoneそのものにご興味のある方は別途岩田にご連絡くださいw(宣伝すいません!笑)

NPSとは

「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、企業に対する顧客ロイヤルティを図るものです。近いものに「満足度調査」があると思いますが、NPSが注目されている理由は「NPSが高い企業は、売上の成長率も高い」という分析結果があることです。

(ちなみに、顧客満足度は、実は指標としては機能していない懸念があり、「解約したユーザーの8割が満足と回答」していたという結果もあるらしい・・・)

NPSの概要はこんな感じ

NPSを計測するためには、「あなたは○○を友人にすすめたいと思いますか?」と質問し、0〜10点で評価してもらいます。

その中で0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類します。

NPSは「推奨者」の割合(仮に45%)から「批判者」の割合(仮に20%)を引いた数値(45%-20%=25%)のことを指します。(つまり、推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が高くなるように設計されています。)

出典:https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2015/nps-vs-cs-whitepaper

つまり満足度を0~10で評価してもらって、数値化していくのがポイントです。

また、「今回のユーティルのお仕事はどうでしたか?」という全体の質問に続けて、「提案の質はどうでしたか?」「デザインの質はどうでしたか?」と個別部分に関する質問を加えるのがポイントです。これにより、「デザインの満足度が高い人は、全体の満足度も高い傾向にある。」など、制作の各工程における相関性を明らかにできます。

※NPSについて詳しく知りたい方はこちら

・NPS®(ネットプロモータースコア)とは?

・「NPS」って顧客満足度調査とは何が違うの?

このNPSは、はやり取得できる情報の母数の多い「BtoC」向けの企業で多く取り入れられていますが、海外ではBtoB企業の導入事例もあるみたいです。

NPSについて語り始めると1記事くらいのボリュームになってしまうので、この辺にしときます。。。

kintoneを利用したNPSツール制作の背景

狙い

今回NPSを導入する一番の狙いは

・ユーティルの制作業務がお客様からどのように評価されているか知りたい。

・その評価のボトルネックは、制作工程におけるどの部分になっているかを分析したい。

ということです。

今後ユーティルを拡大していくにあたって、インバウンドマーケティングが重要な意味を持っていると思っています。インバウンドマーケティングの中で「既存のお客様の紹介・口コミ」も重要なチャネルになってきます。

まずは、そういった「紹介・口コミ」を狙える位置にあるのか。ということを知りたかったのが1つ目の狙いです。

もう1つは、上記のような評価の中で、何が原因で「紹介・口コミ」の機会をロスしているのかを分析したかったからです。

「満足はしてるけど、値段がなあ・・・」という価格部分なのか、

ものづくりにおける「提案〜設計〜デザイン〜実装」と工程がある中で、クオリティ的に満足言っていない部分はどこなのか。ということを分析したかったからです。

※チームの中で「誰が悪い」といった、犯人探しをするのではなく、結果を真摯に受け止めてチームとしてどうやってボトルネックになっている部分を良くしていくかを議論するためのものです。

要件定義(項目定義)

さあ、ここからは実際にツール制作の流れを書いていきたいと思います〜

まずは要件定義。要件は「このツールを作りたいと思った目的」に沿って変わってくると思います。(今回は要件というより項目について書きます。細かいところも要件といえば要件になるので、それは他の工程でも説明していきます)

おさらいすると・・・本件の要件は・・・

①ユーティルの制作業務がお客様からどのように評価されているか知りたい。

②その評価のボトルネックは、制作工程におけるどの部分になっているかを分析したい。

ということでした。

①どのように評価されているか

評価そのものはNPSの設計に依存するところが大きいですね。。。

なのでNPSの決まりにそって、

「評価軸を0~10に設定する」これでOKです。複数選択もありえないので、「0~10」のいずれか1つの値をユーザーに選択してもらう。これが基本設計になるかと思います。

②制作工程の中で、評価のボトルネックになっているかを知りたい

これもNPSそのものの設計に依存するところが大きいのです。先述しましたが、NPSは

「全体について評価してもらった後に、部分的な評価をしてもらう」

のが前提です。

つまり

「ユーティルの制作物全体の評価をしてもらい、そのあと価格やデザインなどの部分的な評価を個別にもらう」ということです。

この「部分的な」がミソで、これをどの粒度に分けるかがポイントになってくると思います。

今回は個別について専門的に突き詰める。というより、制作全体の中でざっくり個別の制作工程におけるユーティルの評価を知りたい!という思いがあったので

・営業面:提案の質

・デザイン面:デザインの完成度

・実装面:実際のサイトの完成度

・ディレクション面:プロジェクト中の対応

・スピード面:プロジェクト全体のスピード感

・価格面:価格感

の6つに設計しました。より細かく調査したい場合や、ある領域(デザイン面の調査に特化したい)などの場合は、設問の数や内容が変わってくるかと思います。

ここまでくれば要件定義はあと一歩。あとは、「どのお客様が」「どのプロジェクトで」評価してくれているのかを管理するために、記入欄に

・貴社名

・ご担当者様お名前

・プロジェクトの種類

を追加しました。

プロジェクトの種類については、担当者によってバラバラになると思うので

・Webサイト制作

・システム開発

・その他

の3つのセレクトボックスにしました。この3つにしたのは、プロジェクトを分け過ぎてしまうと母数が担保できず分析できないためです。なので、あえて大きくざっくりと・その代わり選択肢は少なく切ってあります。

要件定義(ワイヤー作成)

項目が決まれば次はワイヤーですね。シンプルな入力フォームだからといって侮るなかれ。

・この項目はテキストボックス?セレクトボックス?

・0(評価最低)と10(評価最高)を逆に認識されないようにするには?

・ユーザーの入力に対する心理的負担を減らすには?

など、考え出すと結構ちゃんと考えることがあります。その1つ1つを汲み取って、要件定義・ワイヤー作成に落とし込んであげる必要があると思います。

ワイヤーは要件定義や項目定義に比べて、画面の構成を書く分、ある程度視覚的になるので

・0(評価最低)と10(評価最高)を逆に認識されないようにするには?

・ユーザーの入力に対する心理的負担を減らすには?

この辺はワイヤーで定義してあげると良いですね。

作ったワイヤーはこんな感じ(途中まで掲載)

NPS測定ツール_ワイヤー

今回は比較的シンプルなツールなので、スライド(パワポ)でサクッと作りました。

ガッツリ作る場合はCacooを使ったり、お客様と共有する場合はスプレッドシートで作ったりとケースバイケースで使い分けてます。

ちなみに

0~10を単純にラジオボタンで選ばせるのは面白くないので、選択式のスライドバーを採用しました。デザイン部分でも出てきますが、スライドバーが色が評価が上がっていくにつれて色がついていくので、事務的にチェックしてもらうよりかは、評価するのも楽しいと思ってもらうために使いました。(IE対応がめんどくさかったらしいです。。。すいません。。。)

またユーザーの心理的負担を減らすために、最初のリード分で「5分」と所要時間も明記しました。終わりのないアンケートほどしんどいものないですからね。。。

ツールのデザイン

上記のワイヤーをデザイナーにバトンタッチ。何回かやり取りして、出来上がったものがこちら

1st view

NPS測定ツール_1stview

会社案内などで使っているブランドモチーフをここにも入れてもらい、テキストを流し込んでもらいました。デザインが入ると、こんなに読みやすくなります。

選択項目

NPS測定ツールの選択項目

こんな感じにすれば、どっちが評価高いか一目でわかりますよね!
ちなみにこれは評価が高いと・・・

NPS測定ツール_高評価

バーの色は全部水色に!

評価が低いと・・・

NPS測定ツール_低評価

とバーの色は灰色に・・・

とボタンの左のバーは水色になるようにしています。少しでも飽きない工夫を。ということでデザインしてもらいました。

全部載せると長いので割愛しますが、こんな感じのデザインになりました。

NPS測定ツール_デザイン

ツールの実装

実装面は

・フロント側のコーディング

・kintoneの作り込み

とありますが、コーディング部分は割愛させていただきます笑

kintone側でも、項目定義した内容と同じ設定をしてもらい、一覧画面と詳細画面を作成しました。(デフォルトでそうなってます。)

フロント側の入力情報が、送信ボタンを押下すると自動でkintone側に飛んで格納されるようになっています。

入力内容をいちいちkintone側に転機する必要はありません。kintoneはこうしたオリジナルのツールとの連携もカスタマイズで作れちゃうので素敵ですね!

ちなみに作成した一覧ページはこんな感じ。(テストデータなのでちょっと寂しいですが・・・)

kintone_NPS一覧

エクセルみたいにシンプルに表示を出せますし、デフォルトで表示する項目をカスタマイズできたりするので、項目が長くなりすぎた場合は一覧画面であまり使わない項目は非表示にしてしまえばOKです!

詳細画面はこんな感じ

kintone_NPS詳細

うん。シンプル。笑

ちなみに自動でこんな感じの分析も出してくれます。

kintoneグラフ

カスタマイズすれば、もっと詳細にグラフも描画できるっぽいです!

まとめ

ざっと、今回のツールの経緯・作り方をご紹介してきました。

今後は、

・実際にお客様の入力の内容を見て、より充実した内容を記入してもらうための仕掛け作り

・取得した数値の分析

など運用部分も重要になってくるかなと思っています。

Web制作やシステム開発も根本的な部分は同じかなと思っています。何のためにやるかをしっかり定義して、目的に沿ったものをつくるのが一番かなと。

当たり前のことを言っていますが、しっかり実行するのは難しいし、実際できてないものも多いかと思います。

よりユーティルのものづくりのクオリティを上げていくためにも、どんどん深ぼっていきたいと思っています!

このNPSツールを作ってみたい!使ってみたい!見てみたい!などありましたら、いつでも岩田までご連絡くださいませ〜!

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岩田 真

岩田 真

株式会社ユーティル代表。2012年に新卒で株式会社ジャフコに入社。入社から3年間投資部に配属され、数億円単位のベンチャー投資事業に従事。投資先の発掘〜精査〜投資〜価値向上に一貫して従事。2015年4月株式会社ユーティル設立。

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