ユーティル流ビジョンの作り方(ビジョン再考のすすめ)

岩田 真 2017/10/4

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「ビジョンがない・・・」「御社のビジョンは何ですか?」みたいな話ってよく聞きませんか。

ビジョンやミッション等、よくする言葉ではあるものの形骸化していたり、パッと見よくわからなかったり、他社とおんなじこと言っているように見えたり・・・

ユーティルも同じで、創業してから制作事業や新規事業の模索など進めていますが、これ何のためにやってるんだっけ?みたいに思うことが個人的に増えていました。
そのような状態で新メンバーがジョインしてくればよりカオス・・・

ユーティルは「こういうことを実現するために事業をやっています。」というものを作る必要性を薄々と感じていました。

ということで・・・

この8月に1ヶ月かけてユーティルのビジョンを改めて考えて直しました!

今日はその経緯や今回考えた過程みたいなものを共有できればと思います。

目次

課題意識と今回作り直したもの

これまでのユーティルのビジョン

そもそもビジョンは合議制で決めるのが正しいのか

今回つくったVision Statement

キャッチコピーにもしてみた。

まとめ

おまけ(資料あり!)

課題意識と今回作り直したもの

課題意識

下でも触れますが、今までのユーティルには「ビジョン」と名のつくものがありました。ただし問題は、

・その言葉の背景にある概念

・ビジョンを受けて「結局明日からどうするんだっけ?」

・なんでこのビジョンが生まれているのか

という概念的な部分が共有されていない・後からジョインしてくれたメンバーに伝わっていない・普段から自分たちが自信を持って口に出す状況になっていない。

というところが課題でした。

まさしく「形骸化」ってやつですね・・・

また採用面でも課題を感じていました。

それは「どうやったら単純な受託の会社」と見られないようにできるか。

です。ユーティルは現状、受託をサービスとしてやっている会社ですが、もっとその先も考えているし、もっと大きなことをやろうとしている会社なんだよ!ということをどのように伝えるか。というのは大きな課題意識としてありました。

今回作り直したもの

上記のような理由から、今回は「ビジョンそのもの」というより、
ユーティルはビジョンに対してこういうものを考えてるよ!というイメージをテキスト化・イラスト化された、

「ビジョン取り扱い説明書」

みたいなものを作ることにしました。(タイトルで釣られた方ごめんなさい。。。)

題して「Vision Statement」。かっこいいですね笑。はい。名前だけです。

ビジョン

うん、なんか期待感ありますね。素晴らし。

(デザインは弊社デザイナーの紫安が担当してくれました。かっこいいっすよ。)

読みたいですよね?読みたいでしょ?w

本記事を最後まで読んでいただければ読めるようになっておりますw

これまでのユーティルのビジョン

今でもサイトに掲載していますが、これまでのユーティルのビジョンは

「可能性を耕す」

というビジョンを掲げていました。

これは、創業1年ちょっとのタイミングで一度考えないとね。ということでコアメンバーで集まって考えた言葉です。今でもすごくいいと思っていまし、言葉の響きが好きですし、今回新しく作り直したビジョン取り扱い説明書の主旨にも沿っている言葉のため、まだ言葉自体は残してあります。

ちなみに、ユーティルの語源の1つでもある「Till」は「耕す」という意味があるので、それとかけているんです。みんなでめっちゃ考えましたよ笑

ユーティルのビジョン

そもそもビジョンは合議制で決めるのが正しいのか

ちょっと話から逸れますが(興味ない方は読み飛ばしてください)

「そもそもビジョンは合議制で決めるのが正しいのか」

という問題があります。

ベンチャーなのに社長のひとりよがりは嫌だし、かといってみんなの意見を集約すると中庸になってしまって刺激がない。。。

合議制の良し悪しはあるのですが、個人的には

・人数が少ない時は合議制でOK

と思っています。

ここでいう「人数が少ない」とは、メンバー全員がビジョンを決める会議に参加して、全員がちゃんと発言したり、しっかり考えられたりする状態であること。

と定義します。5~6名くらいが限界でしょうか?(うまくやれば10名くらいいけるのかな?)

合議制でやる場合は全員の納得感や会議そのものの「プロセス」が重要なので、誰か一人でも参加できないならあまり合議制でやる意味がないと思っています。

気になって検索してみたら、こんな記事もありました。ご参考までに・・・

「合議制はダメ、1人のビジョンがヒット作を生む」–グリー、DeNA、エイリム…モバイルゲーム各社はこう作っている

合議制で決まるものにいいものはない

今回で言うとこれから採用をしていく上で、内にも外にも岩田としての考えをもっと共有したい!という思いがあったので、基本的に岩田のみで作成しました(デザイン除く)

今回つくったVision Statement

さあ、ここからが本題ですね。

今回、ビジョン説明書のために「ゴールデンサークル」というフレームワークを採用しました。結構有名みたいなので、ご存知の方も多いかもしれません。TEDでバズったみたいですね。本も出ています。

ゴールデンサークルとは

詳細は割愛しますが、円の「中心から外側へ」向かって、「Why:なぜ」→「How:どうやって」→「What:何を」の順で想いを伝えると、共感を生むことができる!
というような素敵なフレームワークです。

大体の人は、円の「外側から中心に」向かってプレゼンをします。

ゴールデンサークル

下にある参考リンクから拝借しました。参考にしてください。

特にみなさんWhyがないんですね。「なぜ仕事をするのか」「なぜ事業をするのか」というWhyがない。だからせっかく良い「How(差別化要因)」を持っていても説得力が出ない。多くの個人や会社はこの部分で苦しんでいるのではないでしょうか。

一般的な制作会社もこんな感じかと思います。

制作会社のゴールデンサークル

※見にくい場合はクリックorタップで拡大表示してください。。。毎度すいません。。。

提案力とか分析力って言ってもよくわからないですよね?何がいいの?みんな似たようなこと言ってるよね?みたいな・・・

それを解決するには、円の「中心から外側に向かって」アウトプットするのが重要なのです。

ちなみにアップルはこんな感じ

アップルのゴールデンサークル

アップルって携帯電話やパソコンのCMをやっていないですよね?ライフスタイルのCMをやっていますよね?つまり、Whyの部分に訴えかけるものがあるから、みんな「イケてる」と思うのです。

ここまで読んでいただいて、岩田の説明が下手すぎて、意味わからん!という方はこちらをお読みください。。。

参考リンク:ゴールデンサークル理論に学ぶ、人を熱狂的にさせるコピーづくり

以上の前提を踏まえ、ユーティルでもゴールデンサークルを作ってみよう!!というのが今回の主旨です。

ユーティルのWhy?

会社の「Why?」って、「なぜその事業を行っているのか?」ということなので、個人が「なぜその仕事をしているのか?」という個人の「Why?」と強く相関性があると考えています。

その際、「なぜ起業したのか?」を振り返ってみました。そこに仕事をする理由があるのかな〜と思ったからです。

〜起業の背景〜
当時、前職では
・ベンチャーの経営者に合う機会が非常におおかった。
・東西線大手町駅が最寄り駅だった。
のですが、ベンチャー企業の社長にあうと、みんな面白そうなんですよね。すごくうまくいって調子のいい会社も、つぶれそうな会社も、経営者はみんな顔が輝いている。

一方で早朝の大手町駅にはベンチャーの経営者よりも、たくさんお給料をもらっているエリートサラリーマンの方がたくさんいるんですが、みんな疲れている。しんどそう。

このコントラストが自分の中では一番の起業の要因です。「あ、自分は『面白い』ことがしたかたったんだ」と。逆に言うと「面白ければ何でも(どんな事業でも)いい」くらいの感じでした。

〜起業の背景おわり(めちゃくちゃ省略しました。。。)〜

という雑な起業の背景があったので、自分の中では「面白い」が一つのキーワードです。(そういえば昔、インタビューで「岩田さんは『面白い』を重視してるんですね」と言われたことがあります。その時はあんまり意識してなかったんですが・・・w)

ということで

・その仕事は面白いのかどうか

が自分の働く源泉にあるものだなあと認識しました。じゃあ、どうするか?自分の中のWhyは何なのか?考えました・・・(ここに、ほぼほぼ1ヶ月くらい使っていた気がします。)

どん!!!

ユーティルのWhy

思いっきり「公私混同してしまえ!!!」というのが結論ですwww

なんか、今の風潮的には「オン(仕事)とオフ(遊び)」を綺麗に分けるのがイケてる。というイメージなんですが、本当にそうなのかな?と思っていて、仕事を遊びだと思って、毎日仕事を楽しんでる人の方が実は幸せなんじゃないかな?と思っているわけです。

加えて、これまでの経験から仕事を遊びと思っている人のほうがハイパフォーマンスなイメージもあって。当たり前ですよね。遊びと思っているんだから熱中できる。

そういう人って、まわりから「ワーカホリック」とか言われながらも気にしていないし、どんどん仕事しちゃう。成果もでる。しかもいつ遊んでるんだろ?と思うくらい遊んでたりする。

そういう状態をつくっていきたい。つまり

誰もが遊ぶように働ける環境を創る。

といういうのがユーティルのWhy?です。

ユーティルのHow?

Why?ができたらHow?はどうするか?これはいたってシンプルです。

ユーティルのHow?

・面倒 / 非効率な作業の部分(「仕事」と定義)は減らしていく。

・やっていて楽しい仕事(「シゴト」と定義)に集中する。

つまり

・非効率・面倒・本質的でない部分は、明確にワークフローから省くか、人工知能やプログラムに任せてしまう

・自分がやっていて、熱中できる部分だけ、とにかくガンガンやる!

という構図にしてしまえばいいのでは!

という発想です。

それができたら苦労しねえよ。と今聞こえてきましたが、すぐにこれを実践してください!と言っているのではなく、「こういう世界観や風土を目指していこうぜ!」という話をしています。

常に「無駄なことをしていないか、本質的なシゴトに取り組めているか」ということを気をつけながら頑張ろうよ。という感じです。

ユーティルのHow

ユーティルのWhat?

ここは今までと変わらず

IT / Webのものづくり

だと思っています。会社を作って2年以上経ちましたが、Web制作の楽しい部分と理不尽な部分、双方いろいろ経験してきました。

すごいテンションが上がった時もあるし、すごい悔しい思いをした時もある。前職が金融業界だったこともあり、この業界にきて思ったのが、「ものを作れるってすごい!!」ということ。

ディレクター・デザイナー・エンジニアが1つのチームで協力して、HPやシステムができていくのって実はすごいことだと思っています。

特に自分はつくれないので、ものづくりに従事している人には本当に尊敬の念しかありません。

なのに、なぜかWeb制作の業界は「IT土方」等と揶揄されるように、一部ブルーワーカー的な見え方がされています。

これは是非変えていきたいと思っています。相応の技術を持っている人は相応に評価されるべき。これはどの業界もそうかもしれませんが、値段の叩き合いをしても業界全体のレベルアップ・環境改善には至らないと考えています。

そんなこんなで、しっかりこのドメインで勝っていきたいと思っています。

ユーティルのwhat

受託というのはWhatの一部でしかない

ここで補足しておきたいのは、「受託」というのはWhatの一部でしかないということです。Whatは「IT / Webのものづくり」なので、受託だろうが自社サービスだろうが、何だって良いと思っています。

現状は、ほぼほぼクライアントワーク100%ですが、クライアントワークは事業というよりはサービスの一部と考えています。

ここでいう「事業」と「サービス」の定義は・・・

事業:ユーティルのWhyを成し遂げるための手段←こっちが「What」の部分!

サービス:事業を成立させるための手段

であり、つまり・・・

ユーティルのwhyを成し遂げるための手段はクライアントワークに限らない。

と思っています。

ユーティルのWhyとHowを実現できるもので、Whatの領域内のものであれば何でもいい。今後クライアントワークだけではなく、プロダクトにも挑戦していこうと思っています。

当然クライアントワークとプロダクトの提供価値は同じです。Why / How / Whatはブラさず、展開していきたいと思っています。

ユーティルの事業

キャッチコピーにもしてみた。

これまでの流れから、「IT / Webのものづくり」を「面白くしたい!」という中で、ユーティルは業界の常識をひっくり返すことに面白さを感じていたいと思っています。

・IT / Webの制作は非効率・古臭い

・ブルーカラー化している

・多重下請け構造がしんどい

のような業界のしがらみをとって、Web制作の新しい形をつくることで、みんなが楽しいと思える環境を作っていく。

ということをやっていこうと思っています。

今までの、流れを毎回全て説明するのが、大変なので一言でまとめました。

それがこちら。

キャッチコピー

「Web制作を再定義する。」

なんか挑戦的ですね。いいですねw

喧嘩を売りたいわけではなく、今までのしがらみや非効率って誰が悪いとかでなく「そうせざるを得なかった」という側面があると思っていて、それはそれでいいとして「ユーティルは違う方法でやりますよ」という意思表明だと思っています。

じゃあ、現状どういう制作の仕方をしてるんだ?と怒られそうですが・・・足元は、、そうですね・・・まだまだです。

まだまだ実力不足な点は多々ありますし、業界のしがらみを甘んじて受け入れてしまっている点も多々あるかと思います。。。

ただ、明確にそういうものをなくして、ユーティルとして新しい形を手探りでみんなで探して、「ユーティルって制作会社のくせに、こんなことやってるんだ!」と言われるような展開をしていきたいと思っています。

まとめ

ざーっと流してきましたが、そろそろまとめに入っていきたいと思います。(もう少しだけお付き合いください!!!)

これまでのお話をまとめると・・・

ユーティルのWhy:誰もが遊ぶように働ける環境を 創っていく

ユーティルのHow:「仕事」を減らして、「シゴト」を増やす。

ユーティルのWhat:IT / Webのものづくり

です。

ユーティルのゴールデンサークル

こんな感じかなと思います!

一般的な制作会社が、円の「外側から中心」にアウトプットしているのに対し

ユーティルは、円の「中心から外側」にアウトプットしているのがポイントです!

ちなみに今、各サービスでやっていきたいとおもっているのは下記の通りです。

ユーティルでやりたいクライアントワーク

直近ユーティルでやりたいと思っているのは

・「ユーティルの制作」というものをブランド化する

「社内にやる人がいないから、ユーティルに頼むか。」ではなく、「ユーティルにしかできないからユーティルにお願いしよう!」となることを目指しています。

みんなスターバックスにコーヒーを買いにいっているのではないように、ユーティルにHPやシステムを依頼するのではない。という状況をいかに作れるかだと思っています。

クライアントワークでは「最高のものづくり体験を届ける」というキャッチコピーの元、お客様にものづくりの凄さや楽しさを体感してもらえるようなプロジェクトの進め方を模索したいと思いっています。

暫定キーワードは「成果」と「期待感」です。

「ユーティルにお願いしたら、しっかりと結果を出してくれる!」

「ユーティルと仕事をすると楽しい!未来が語れる!」

という世界観を作れるようにブランディングしていきたいと思っています。

ユーティルでやりたいプロダクト

もう1つユーティルでやりたいことは

・制作「業務」を無くす

ということです。Howの部分で出てきた、「仕事を減らして・・・」の部分に、まず自社プロダクトとして取り組んでいきたいと思っています。

Web制作のあらゆる「業務」の中で、工数がかかっているが、付加価値は低いというポイントを見極めてそれを代替するようなプロダクトを作っていこうかと思っています。
(現在いろいろ模索中です!)

まとめのまとめ

以上、できるだけ詳細にお伝えできるように、しっかり書こうと思ったら、かなり長くなってしまいました・・・

これでも、話したいことの30%くらいにまとめたつもりです。。。

もしユーティルのゴールデンサークルに共感してくださる方がいれば是非一緒にお仕事をしたいです。

逆にその考え方違うんじゃない?という方もいらっしゃったら是非議論してみたいです!

かなりの長文、お付き合いいただき本当にありがとうございました。
地道な一歩ですが、着実に進んでいきたいと思います。
今後ともユーティルを宜しくお願い致します!!!

おまけ

今回のビジョンの資料をスライドシェアにアップしてあります。

一部しか載せられなかったので、気になる方は是非ご覧ください!(社内向けのメッセージでお見せできない部分を一部削除しております。)

Utill vision from Shin Iwata

是非ご覧ください!!!

また、今回の資料を作成する際に参考にした書籍です!面白かったですよ!

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岩田 真

岩田 真

株式会社ユーティル代表。2012年に新卒で株式会社ジャフコに入社。入社から3年間投資部に配属され、数億円単位のベンチャー投資事業に従事。投資先の発掘〜精査〜投資〜価値向上に一貫して従事。2015年4月株式会社ユーティル設立。

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